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ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則
ジェームズ・C. コリンズ
日経BP社 刊
発売日 2001-12-18


「『ビジョナリーカンパニー』は素晴らしい本だ。調査も素晴らしいし、文章も素晴らしい。でも、役に立たないんだ」。ジェームズ・C・コリンズは、マッキンゼーのビル・ミーハンにこう言われ、本書を執筆するに至った。『ビジョナリーカンパニー』 に登場した企業は最初から偉大だった。そうでない企業が偉大になるためにはどうすればいいのか…。本書はまさに、その点に答えている。
本書は、全米で100万部を超えた『ビジョナリーカンパニー』の続編である。だが、前著を読んでから本書を読んだ場合、本書に登場する「偉大な」企業があまりに地味なのに驚くかもしれない。厳正な定量、定性分析を経てフォーチュン500企業から選ばれた11社は、GEでもない、インテルでもない、P&Gでもない。アボット、サーキット・シティ、ファニーメイ、ジレット、キンバリー・クラーク、クローガー、ウェルズ・ファーゴ…顔ぶれだけをみればいかにも地味だが、株価を基準にしたこれらの企業の十数年にわたる業績は、GEやインテル、P&Gをもしのぐのである。
本書では、これらの偉大な企業11社に共通し、他の「飛躍したが持続しなかった」企業になかったさまざまな点を指摘していく。リーダーシップ、組織づくり、戦略、技術導入…、なかでも「第5水準の経営者」は、従来のリーダー像を覆すもので、目からうろこが落ちる。これによると、真に偉大なリーダーとは、アイアコッカでもウェルチでもない。マスコミに取り上げられ、華々しい印象のある経営者は、いわば「刈り取る人」であり、第5水準の経営者とは、いわば「種をまく人」のことなのである。種をまくリーダーは後継者を育て、自分が引退したあとも偉大な企業が持続するために見えない努力をする。結果として、彼らは株主に長期にわたって恩恵をもたらしているのである(事実、バフェットは11社のうちの何社かに投資していた)。
本書を読めば、企業を飛躍させる真のリーダーシップとは何か、企業の競争力を高める人材の質とは何かを考えさせられる。そして、経営とはやはり最後は「人」なのだと確認させられる。翻訳が突貫作業だったことをうかがわせるのは残念だが、エキサイティングで、得るところが多い。(土井英司)

永遠不滅の法則 2006-12-13
今回のビジョナリーカンパニーは、普通の企業が準備段階を経て、成長段階へ飛躍することを

主眼に書かれています。正直、前作は小難しい表現が多かったせいか、あまり参考とする点は

なかったのですが、今回はわかり易く、かつ具体的なので非常に参考になります。前作をしのぐ

作品と言えるでしょう。



さて内容の方ですが、やはり最も重要な点としては、経営者がどのレベルに達しているかということだと思います。

本書では、最高のランクを第5水準の経営者と名付けていますが、このレベルになりますと、

性格的には非常に謙虚で控えめなのですが、自分の仕事に関しては熱い情熱を秘めているといった感じです。

(世間で騒がれているカリスマ経営者とは、正反対の位置付けになろうかと思います。)



次に重要なのが、適切な人材を集めるということです。これは能力が高い、低いという基準だけではなく、

性格的にも企業理念に集えるかといった点が重要となります。謙虚な経営者の元、優秀な人材が

集うといった印象でしょうか。このような規律ある人材が集まった場合、当然のことながら厳しく管理する

必要などはなく、そこから自然と企業のおける目標ができ、企業文化が根付くのだと思います。

(ここでいう目標とは、企業の成長やお金といったものではありません。これらはあくまで結果論だということです。)



その他、ニッチな得意分野に業務内容を絞るといった点なども参考になります。経営者にとっては

まさに「座右の書」となるべき本であると思います。

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