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経済学を学ぶ
岩田 規久男
筑摩書房 刊
発売日 1994-09


内容(「BOOK」データベースより)
交換と市場、需要と供給、企業・政府などミクロ経済学の基本問題から、国民所得、財政金融政策などマクロ経済学の基礎までを、豊富な例示とたくみな比喩で説く明快な入門書であるとともに、今日の複雑な経済・社会を正しく読み解きたいという読者にむけて、現実の経済・金融問題などを幅ひろくとりあげ解説する、役にたつ生きた「再」入門書である。


大学受験生にもおすすめ  本書の読者層は広く設定されているようですが、本書は高校生にも推薦できる良書だと思われます。
 大学受験において志望学部をどこにしようかと考え始めたとき、「文学部や法学部でやることはだいたい想像がつくけど『経済学』って何?」と感じた人は多いのではないかと思います。
 この『経済学を学ぶ』では数学的なモデルを使わずに、経済学の本質的な内容が本当に分かり易い文章で説明されています。需要、供給、規模の経済、弾力性といった経済学に必須の概念が素直に理解できるような印象を覚えます。
 経済学の分析対象の範囲だけではなく、経済学のモノの考え方の基本が1冊に納められており、悩める受験生が進路を決める際の参考になることと思います。
 もちろん、大学受験以外の場面でも、「公務員試験の科目に経済学がある」とか、「読まなきゃいけない論文や本に経済学の概念が利用されている」とか、「新聞やニュースで報道される経済に関する出来事の背景にある仕組みをなんとなくでいいから知りたい」といったような場合に有用な本であることには違いありません。

所得から潜在能力へと発想を転換する。
これは誰しも異論を唱える人はいないだろう。しかし、その潜在能力を何で計測するかは非常に大きな問題である。
本の中でも検討されているが、ほしいデータが見つからないこともあるし、データとして収集することが不可能な場合も多い。
この本だけでは具体的な指標が明示されることもなく、既存のミクロ経済学に匹敵するほどの理論的にもされているとは言えない。
それでもこの本が必要とされるのは、今までの経済学で考えられていた前提が正しいかどうかを考えることが必要だということであろう。
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