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新しいマクロ経済学―クラシカルとケインジアンの邂逅
齊藤 誠
有斐閣 刊
発売日 2006-10



マクロ経済学を勉強するには欠かせない1冊だと思います。 2006-10-20
 旧版に対する評価は、多くの人が知っていると思います。今回の改訂では、この本の持つよさを維持しつつ、新たにトピックを追加し、400ページを超える本になっていることが最大の特徴であると思います。具体的には、以下の3点です。

(1)旧版の2章の合理的期待形成と新古典派成長モデルに補論として「消費の恒常所得仮説」、「最大値原理の基礎」、「凸状の調整費用とトービンのq」が加わり、消費行動や投資行動を新古典派的な側面から分析したパートが加わっています。調整費用の話は最大値原理を用いた新古典派的投資理論を扱っていますのでローマーなどの上級テキストの補完としても役に立つと思います。

(2)3、4章では「効用関数の形状と危険回避行動」、「世代重複モデルにおける完備市場取引」、「情報の非対称性下での最適保険契約」、「預金契約と金融危機」、「逆選択と保険市場」等が加わり、情報の非対称性、リスクと金融などミクロ経済学の色彩が強いパートが加わっています。

(3)5、6章では、「物価水準とインフレーションの理論」、「不完備市場環境におけるフリードマン・ルール」、「モラルハザードと経済政策」などのパートが加わっています。特にWoodford等に代表される物価水準の財政理論もコンパクトにまとまっていますので、近年のマクロ経済政策の最新トピックにも触れることが出来ます。

 以上のように、この他にも細かなトピックが加わり、以前の旧版に比べてかなりのボリュームになっています。最近のマクロ経済学は、ミクロ経済学の言葉で語られる範囲が非常に増えてきています。今回の新版もこの流れに沿ったものといえます。また、マクロ経済学自体の範囲が非常に細分化され、精緻化されてきている中で、このような本で、マクロ経済学全体を俯瞰する意義は大きいと思います。本を買うときに「注文を確定する」をクリックするのはとても憂鬱で勇気が必要なんですが、この本を手にした時の満足度は十分にあると思いますので、マクロ経済学を勉強している方のみならず、ミクロ経済学を勉強している方にも是非、一度、読んでもらいたい本です。
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ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する
スティーヴン・レヴィット /スティーヴン・ダブナー
東洋経済新報社 刊
発売日 2006-04-28


商品の説明
ヤバい経済学
米国の気鋭の若手経済学者が、日常生活に浸透している様々な通念をユニークな分析でひっくり返す。
1990年代、米国では若者による凶悪犯罪が激増するとの予測が広がった。だが、実際には米国内のどこでも、あらゆる種類の犯罪が減った。好景気、銃規制、取り締まり強化などの理由が指摘されたが、著者は73年の「ロー対ウェイド裁判」によって、中絶が合法化されたことこそ真の理由と主張する。家庭環境の悪い子供はそうでない子供に比べて罪を犯す可能性がずっと高い。裁判の結果を受け、貧しい未成年の女性が中絶に走ったことで、犯罪予備軍が劇的に縮小したと解説する。

不動産屋の営業担当者が自分の家を売った時とお客の家を売った時を比べると、自分の家の場合は最高の買い手が現れるまで待つ結果、平均して10日長く市場に出し、3%強高く売っている。一方、お客の家の場合は、そこそこの買い手が現れればすぐ売り払うよう追い立てる。営業担当者が欲しいのは取引で、早く決めたいからだ。

ほかにも、「銃とプールと危ないのはどちらか」「麻薬の売人はなぜいつまでも母親と住んでいるのか」など興味深い問題を提起。豊富なデータを基に分析し、経済学の基礎となるインセンティブの概念を明らかにする。


(日経ビジネス 2006/06/19 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)


出版社/著者からの内容紹介
経済学なんて知らなくても楽しめる、全米100万部超のベストセラー
アメリカに経済学ブームを巻き起こした新しい経済学の書、待望の翻訳。

不動産広告の「環境良好」の隠された意味って?
90年代のアメリカで犯罪が激減したのはなぜ?
勉強ができる子の親ってどんな人?

銃とプール、危ないのはどっち?
力士は八百長なんてしない?
学校の先生はインチキなんてしない?
ヤクの売人がママと住んでるのはなぜ?
出会い系サイトの自己紹介はウソ?

ジョン・ベイツ・クラーク・メダルを受賞した若手経済学者のホープが、日常生活から裏社会まで、ユニークな分析で通念をひっくり返します。


説得テクニックのために 2007-03-12
八百長や、人の善意など明確にならない、社会通念上「なんとなく」思っていることを明確に対費用効果視点、数値で示してくれるのが痛快です。

「こんな現象まで裏づけ取れるの?」とあらゆる角度からデータを集めて分析するアプローチ姿勢がとても新鮮です。



見えないものを数値化しなきゃいけないときのアイデアに、

クライアントへの言い訳、説得テクニックを磨くためにも是非。

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか
P・F. ドラッカー
ダイヤモンド社 刊
発売日 2000-07


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原書名は『THE ESSENTIAL DRUCKER ON INDIVIDUALS: TO PERFORM, TO CONTRIBUTE AND TO ACHIEVE』。現代マネジメント思想の巨人、ドラッカーを初めて読む人のために、これまでの著作10点、論文1点からエッセンスを抜き出し、ドラッカー自身が加筆・削除・修正した必携本である。3部作『THE ESSENTIAL DRUCKER』のうちの第1部で、個人の生き方と働き方が主題となっている。本書の第1章は個人がおかれた状況を確認する「いま世界に何が起こっているか」。第3章「自らをマネジメントする」から、個人のあり方が本格的に論じられていく。社会において業績をあげ、何かに貢献し、成長するにはどう考え、行動すべきか。単なる業績アップやキャリアアップを目指すものではなく、これからの時代を生きる知識労働者が理解すべき本質的な問題を取り上げている。随所に具体的で明快なアドバイスを盛り込みながら、個人が「何をもって記憶されたいか」という究極の問いかけへと向かっていく。編者によれば、本書はドラッカーが初めてという人だけでなく、ドラッカーの世界が「大き過ぎて全体が見えない」という人、次にどの著作を読めばいいのか悩んでいる人たちのためのガイドブックとして作られたという。とはいえ、やはりドラッカーの思想の原野は広大だ。本書も1度通読して済むような軽い本ではない。座右に置いて何度も読み返せば、そのたびに新たな発見があり、勇気がわいてくるはずだ。(秋月美南)

ブックレビュー社
どうすれば一流の仕事ができるか。ドラッカーの教える知的生産性向上と自己実現の秘けつ
本書は,ドラッカーの膨大な著作の中から,我々一人ひとりがどう成果をあげ,貢献し,自己実現を図っていくかについて述べた部分を抜き出して1冊の本にまとめたものである。題して,「ザ・エッセンシャル・ドラッカー・オン・インディヴィデュアルズ(ドラッカー生き方・働き方読本)」。しかも,編者はドラッカー訳を長年手がけ,ドラッカーの著作を誰よりも知りつくしている上田惇生氏。これを聞いただけで,ドラッカー・ファンはそわそわしてくるのではないか。
ドラッカーの著作というと,マネジメント,社会論に関するものという印象が強い。実は多くの著作の中でドラッカーは,個々の人間がどう働き,どう生きたらいいかについてもくり返し言及している。なぜなら,ドラッカーが30年も前から予言したように現代は知識社会への転換期を迎えており,そこで働く知識労働者は,自分の仕事に責任を持ち,自らをマネジメントすべき存在だからである。

本書には「はじめて読むドラッカー」という副題もついている。そのとおりこれからドラッカーを読み始めたいという読者にはうってつけの本である。本書は11の著作・論文から選りすぐった論集であるだけに,企業・社会に対するドラッカー一流の深い洞察が随所に顔を出しており,ドラッカー理論のエッセンスに触れることができる。巻末には出典著作の解説が出ているので,興味を引かれた本から読み始めることをお勧めしたい。

もちろん,本書は多くのドラッカー・ファンにも十分楽しめる本である。何しろ個の生き方というテーマを柱にした本は初めてのものである。しかも編者の巧みな構成によって内容的にも新鮮なものとなっており,新作に匹敵する価値がある。

本書の最も優れているところは,ドラッカー自身がどう学び,どう成長してきたかを語る「私の人生を変えた七つの経験」である。現代の巨人が自ら語る成功の秘けつは,まさに「プロフェッショナルの条件」そのものといってよい。 (富士総合研究所 シニア経営コンサルタント 眞崎 昭彦)
(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)


朝と夜の起床と就寝にそれぞれ行動パターンを少し決めるだけでスムーズに脳が反応すること。特に朝の脳は「ウオーミングアップ」しないでは、よく働かない事も実例でよくわかった。通勤の車で歌を毎日歌うようにしたり、朝、花に水をやったりすることだけでも、脳の回転は飛躍的に速くなったのを実感した。朝起床=脳起床でないこと、それに時間設定して、自分のなかで仕事にしろ何をするにしろ達成を意識することなしに、脳の回転率が上がらないこと。上がらないと、家庭生活も仕事も含めて、脳の回転率が上がらず、だらだらとした時間の使い方に脳が陥りがちだということもわかった。

脳は、何かしら負荷をかけていないと「怠ける」⇒「自然の状態」へ帰るのが「人の脳の普通」だというのは脳についての全く新しい知識だった。何もしないでも、脳は現状維持をある程度するものだと思っていた私にはショックな知識でもあった。

だから余計にこの本の実例はわかり易く実践しやすかった。



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