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節度の経済学」の時代―階層化社会に抗して
内橋 克人
朝日新聞社 刊
発売日 2006-05


出版社 / 著者からの内容紹介
「市場原理主義」の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた著者による経済コラム集。「格差社会」問題が国会で論議されるなど、所得格差が拡大する現代日本。小泉構造改革の危うさ、ライブドア事件はなぜ起きたのか? 格差のある社会は本当に活力のある社会と言えるのか?……政治と経済の密接な関係を鋭く探り、変質する資本主義の危険性に警鐘を鳴らす具体的な提言集。今日的な視点による文庫版あとがき収録。


数少ない、確かな眼の経済評論 2006-08-05
 様々な媒体への原稿・インタビュー・講演を集めたものなので、いくつかはかぶる分が出てくるが、全体の中身を薄めてはいない。著者の指摘するように北欧型の食料・エネルギー・ケアを自給自足し、人間を主体とした経済の再生によってしか世界の経済はいずれ立ち行かなくあるであろう。

 規制緩和をし、自己責任を企業に押し付け、雪印のような犠牲者が出て初めて事後チェックが機能するような社会を、我々は本当に良しとしているのか?犠牲者となりうる我々は、そのコストとしてカウントされ打ち捨てられていく。

 英米でさえ再規制化が進んでいるにもかかわらず、物価の安さと引き換えに賃金も削られて黙々と自殺に走る前に、市民社会的規制の再構築を!と叫ばずにはいられない。



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