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人間回復の経済学
神野 直彦
岩波書店 刊
発売日 2002-05


出版社/著者からの内容紹介
好況時は過重労働,不況時はリストラ.私たちはまるで経済のために生きているかのようだ.これは本来の姿なのか? また,現在の閉塞状況は打開できるのか? いまこそ人間に従属する経済システムをつくるべき絶好の機会であり,閉塞打破のカギにもなる.人間社会,政治,経済の3者のあるべき形を提案する,斬新な経済社会論.


新たな「人間回復」の経済学を求めて! 東大教授で財政学を専門とされる神野先生といえば、岩波書店のシンポジウム『経済危機と学問の危機』における発言くらいしか念頭になかったので(とはいえ彼の発言は実に示唆に富んでいた)、読む前から少しワクワクした気分であった。著者の問題意識は、第1章の「経済のための人間か、人間のための経済か」を通じて明快に論じられている。私の不勉強のせいか、財政社会学という学問分野については全くその内容を知らなかったが、「財政学に社会経済学を取り入れようとした財政社会学は、1980年代頃から息を吹き返す」(16頁)と記されてあった。社会総体を構成する3つのサブシステムである「経済システム」・「政治システム」・「社会システム」の安定的な相互依存関係を重要視するアプローチを財政社会学においては堅持するようであるが、著者が言うように、こうした視点そのものが、主流派の新古典派経済学では欠落している。人間は合理的経済人=ホモ・エコノミクスではなく、知恵を有したホモ・サピエンスであるという一貫した人間観に基づく諸考察に、学ぶべきことは多かった。「失われた10年」の内実や「ケインズ的福祉国家破綻」の総括も多面的な角度から説得的な議論が展開されている。個人的に最も印象に残った箇所は、第5章「ワークフェア国家へ」だ。それは、ワーク(仕事)とウェルフェア(福祉)との造語らしいが、著者が想定する知識社会においては、個人的な知的能力と知識を自由に与えあう人間のきずな(相互信頼、共同価値、連帯などの「社会資本」)を兼ね備えた「知識資本」こそ決定的な要因となる。こうした主張を補強するべく紹介された、スウェーデンにおけるさまざまな改革例・実践例も興味深かった。残念ながら、「人間回復」の経済学がいかなるものであるかは必ずしもよく分からなかったが、本書を契機に一人一人が検討すべき課題なのだと思い直し、今はレビューを終えたい。


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