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悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環
内橋 克人
文藝春秋 刊
発売日 2006-10



21世紀の経済学批判 2007-02-24
ひとつの妖怪が世界を歩き回っている。市場原理主義という妖怪が。内には規制緩和、外にはグローバリズムとして我々の住む世界を変えてきた市場万能主義。現代経済学のパラダイムとして先進国の指導者達が信奉するネオリベラリズムに対する包括的かつ根底的な批判の書である。

海外マネーの流入と流出を場所を変えながら大規模に繰返すなかでビッグビジネスにとっての好景気が継続する一方でより多くの人に経済的しわ寄せが行った。バブルや地方財政の困難がどうしておきたのかも明快に理解することができる。

二点疑問が残った。第一に、ネオリベラリズム循環の過程で米国や日本の中流層の解体が進んだ一方、中国はじめ多くの貧しかった人たちは豊かになったことをどう評価するか。第二に、著者は、働いて手にしたお金と投機的なマネーは違うというが、お金とマネーが同じものであることが全ての背景にある。

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