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資本主義から市民主義へ
岩井 克人 /三浦 雅士
新書館 刊
発売日 2006-07


商品の説明
資本主義から市民主義へ
企業が牽引してきた社会のあり方、ひいては資本主義そのものの疲弊と矛盾が指摘され始めた今、我々が目指すべき次代の社会像を示す書。
著者は東京大学経済学部教授であり、今最も注目される思想家の1人でもある。歴史的哲学思想を基軸に新たな考察を加えた資本主義論、会社とは何かを根本から問い直す法人論を、昨今のIT(情報技術)による構造的変化などの最新事情を踏まえたうえで鋭く論じることで高い支持を得ている。本書は編集者との対談形式によって、岩井克人氏の思想や発言を網羅的に分かりやすくまとめたもの。

まずは「金融とは何か」の問いに答える。金融はあくまでも生産、消費からなる実体経済活動の派生にすぎないという世界観にとらわれていると、経済の本質を見誤ると指摘。実体経済の根源にはまさに「派生物」、すなわち「貨幣」があり、実は何の実体的価値もないはずの「貨幣」が我々の経済活動を支えていることを前提に社会のメカニズムをひもとかなければ、今後の進歩はあり得ないと主張する。

また、著者は今、資本主義論を超えたところにある「市民社会論」に注目していると語り、カントらの古典的哲学思想を織り込みつつ、我々が目指すべき新たな社会の基本設計図を示す。


(日経ビジネス 2006/09/11 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)


市民社会の倫理と資本主義の秘密 2006-11-19
偶々こじんまりとした趣味の良いバーに入ったら、隣で岩井さんが友達と飲んで話し込んでいた・・・耳をそばだてるとまさにあの話じゃないか。ラッキー。そんな本です。

「会社はこれからどうなるのか」や「会社はだれのものか」の読者にとっては格好の解説書。そして「ヴェニスの商人の資本論」「貨幣論」以来の岩井克人ファンにとっては構想中の「信任論」へと展開する論考のプレビューでもある。今後書かれるであろう岩井「経済学史」にも期待。資本主義(貨幣)も近代国家(法)も自ら拠って立つ根拠は無い。故に市民社会(言語)の倫理が危機を救う。



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