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良い経済学 悪い経済学
ポール クルーグマン
日本経済新聞社 刊
発売日 2000-11-07


目次

1 ゼロ・サム社会の幻想(競争力という危険な幻想
反論に答える
貿易、雇用、賃金 ほか)
2 良い経済理論と悪い経済理論(アメリカの競争力の神話と現実
経済学の往復外交―ローラ・ダンドレア・タイソン著『誰が誰を叩いているのか』書評
大学生が貿易について学ばなければならない常識)
3 新興経済圏(常識への挑戦
NAFTAの実体
アジアの奇跡という幻想)
4 技術と社会(技術の復讐
世界経済のローカル化)


国際経済学版「ダメな議論」を斬る! 2006-12-25
 「貿易を通じて国と国とは競争している」等一般に流布しているダメな俗説を、当代一流の国際経済学者が真っ当な経済学の知識をもって論破してゆきます。と言っても専門家にしか理解できない数式などは一切出てこないのがミソ。ダメな論者のデータ処理の拙さを指摘したり、至極簡単な比率計算による影響分析で米国内の実質賃金の減少に貿易がほとんど寄与してないことを実証したり、学部生が1時間目に習うような恒等式でもって貿易収支黒字と資本流入が共存することはあり得ないことを述べたり。今年好評だった「ダメな議論」(飯田泰之著・ちくま新書)で述べられた「ダメな議論」の見分け方を彷彿させるような論の運び方は見事です。

 

 本書の内容は'90年代前半を対象としており少し古いですが、最近の中国の経済成長に刺激された脊髄反射的な「中国脅威論」を退けるには、本書のロジックは残念なことにまだまだ必要なのです。

問題意識の前提として、現代を超高齢社会と医療不信の中、国民皆保険制度を維持しながら医療の質を引き上げ尚且つ医療の効率化の両方を達成することが求められる時代と規定し、その為に2つの事項をめざすとしている。
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